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自然保護条例に基づく開発許可に対する異議申立
Updated on 2011/02/02
東京都自然保護条例に基づく開発許可に対する異議申立を行いました
2010年12月14日、目白坂の住環境を考える会及び主旨にご賛同いただきました多数の周辺住民(総勢50名)は東京都自然保護条例に基づく開発許可に対する異議申立書を東京都総務局総務部法務課に送付致しました。たくさんの近隣の皆様のご支援、ご賛同に深く感謝いたします。誠にありがとうございました。以下に、申し立ての主旨2点をまとめます:
- 無許可伐採: 自然保護条例47条1項および2項違反
事業主は,2006年9月29日に本件土地2-14の所有権移転を行いましたが、住宅建築の用に供するため、10月8日から14日の間にこの自然地の樹木を前所有者に伐採を発注させるという方法によって伐採させました。さらに事業主の内、明建は,同年12月13日に本件土地2‐15の所有権移転を行いましが、住宅建築の用に供するため12月9日以降の日に、同様に前所有者に伐採を発注させるという方法によって伐採させました。事業主は土地の形を変更するマンション建築を計画していたにもかかわらず、自然保護条例の規定に基づく開発許可を受けずに、前所有者に樹木の伐採を発注させるという方法で,7,765.39平方メートルの土地のうち、合計3,332平方メートルの自然地の樹木を伐採させました。よって開発許可を受ける前に樹木を伐採した本計画は,自然保護条例47条1項および2項の規定に違反しています。 - 樹木保護義務違反: 自然保護条例47条2項1号および同条例施行規則52条1項ならびに53条2項違反
計画地には高木の既存樹木が100本あり、高さ15m〜19mの樹木が35本,高さ10〜15mの樹木が31本あります。提供公園とその隣接部分に16本の既存樹木を残存させ、12本の既存樹木を移植させる以外は、高さ3m程度の高木を新たに135本(あるいは119本)植える計画ですが、長い年月を経て大きく育った高木の70%以上が消え失せ、代わりに高さが5分の1程度の木が新たに植えられても、既存樹木の保護とはいえません。また、自然保護条例の「開発許可の手引」によると保計画地で保護の検討が必要となる既存樹木の候補は合計で41本となるはずですが、残存させる16本の既存樹木のうち保護の検討が必要となる既存樹木候補は7本だけであり、移植する12本の既存樹木のうち保護の検討が必要となる既存樹木候補は6本だけですので、実に28本が違法に伐採されることになります。
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自然保護条例に基づく異議申立が東京都によって門前払いの決定を受けました
2011年2月17日、目白坂の住環境を考える会他文京区全域にまたがる地域の住民50名が、東京都自然保護条例に基づいて、積水ハウス他への当該計画地に関する開発許可(樹木の伐採、土地造成等)について異議を申し立てていた件(22総総法審第578号事件)につき、東京都は、不適法な異議申立であるという判断で内容を審理することなく却下とする決定を行いました。その理由について東京都は以下のように説明しています:
- 行政不服審査法に基づく不服申立てを適法になし得るためには、申立人に当該処分について不服申立をする法律上の利益、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵されるおそれがあることが必要であると解される。そして、当該処分の根拠となる法令が、不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には、このような利益も上記の法律上保護された利益に当たり、当該処分によりこれを侵され、又は必然的に侵害されるおそれのある者は、当該処分について不服申立てを適法になし得るものと解される。
- これを本件についてみると、異議申立入らは、本件処分は、条例47条並びにこれを受けた条例施行規則52条及び53条に違反するとして、その取消を求めているところ、本件処分の名宛人でない申立入が、本件処分の取消しを求める法律上の利援を有するか密かは、一義的に明確ではないので、この点について、以下、検討する。
- 条例は、他の法令と相まって、市街地等の緑化、自然地の保護と回復、野生動植物の保護等の施策を推進することにより、東京における自然の保護と回復を図り、もって広く都民が豊かな自然の恵みを享受し、快適な生活を営むことができる環境を確保することを目的として制定されたものであり(1条) 、何人も開発に当たっては、都民の生活を快適にするように心がけ、損なわれる自然を最小限にとどめ、自然が損なわれた場合は、その回復を図らなければならない、と規定している(3条)。このように、条例は、自然環境の保全によって、広く都民全体が良好な環境による利益を事受できるようにすることをその目的とするものであり、47条に基づく開発許可の制度も、自然環境に及ぼす影響の大きい行為については、あらかじめ知事の許可を必要とすることによって、都民のかけがえのない財産である自然環境の損傷を最小限にとどめるとともに、失われた自然の回復を図ることをねらいとしたものであるということができる。
- 条例47条に基づく開発許可に当たっては、規則52条に規定された基準に照らして可否の判断がなされるものであるが、当該基準に定められた内容は、自然環境保全の観点から配意すべき事項を示した一般的なものであるといえ、その内容から、個々人の細別的利益まで保護する趣旨を読み取ることはできないものである。
- 以上のとおり、条例の趣皆及び目的、開発許可基準の内容に照らしてみれば、条例47条及びこれを受けた規則の規定に基づく開発許可を通して保護される利益とは、豊かな自然の恵みを享受し、快適な生活を営むことができる環境を確保するという、都民及び地域住民が共通して持つ抽象的、一般的な利益であるというべきであって、これらの規定が、近隣の居住者等の個別具体的な利益まで保護する趣旨のものであるということはできない。
詳しくは決定書をご覧ください。こちらからダウンロードできます。
20110217_szhk.pdf (483KB)
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