審査請求申立の趣旨
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Updated on 2009/10/3
文京区の弁明
(1) 弁明の趣旨
「本件審査請求を却下する。 」との裁決を求める。(2) 却下を求める理由
(1)審査請求期間経過について行政不服審査法(以下「行事法」という。 )第14粂第1項において、 「審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、しなければならない。ただし、天災その他審査請求をしなかったことについてやむをえない理由があるときは、この限りでない。 」としている。これを本件審査請求についてみると、請求外株式会社明建、積水ハウス株式会社(以下「申請者」という)に対してなした都市計画法(以下「法」という)第29条第1項の規定に基づく開発行為の許可(以下「開発許可」という)処分は、平成20年9月1日付けで、同変更許可処分は、平成20年11月28日付けで、工事完了公告前の建築物(特定工作物の建設)の建築承認(以下「法第37条制限解除」という)を平成20年10月14日付けでなされている。
請求人らは、処分があったことを知った年月日を、上記3つの処分について、いずれも平成21年4月12日と述べている。
しかしながら、以下に述べるとおり、請求人らが本審査請求を提出した平成21年6月8日は、開発許可処分及び同変更許可処分を知った翌日から起算して60日を過ぎていることから、訴えの効力はなく、本審査請求は不適当である。請求人らのうちAは、平成20年12月11日に、文京区都市計画部計画調整課宛に、関口二・三丁目地域の環境を守る会(以下「守る会」という。 )と別の組織である「有志会」の立ち上げや同会のホームページの紹介等を内容とする電子メールを送付している。
有志会は、その後、目白坂の住環境を考える会(以下「考える会」という。 )としてその名称を変えており、平成21年4月1日に正式に発足している。考える会は、設立趣意書に記載のあるとおり、文京目白坂計画にのみ関する時限組織として設立されたものと認識できる。考える会は、その活動内容について、同会会則第4条Bにおいて、 「当該地域の住環境・景観の歴史やあるべき姿について問題提起し、ホームページなどを通じて啓蒙する。 」とあり、同会が主にホームページを中心に活動していることが判断できる。同会のホームページは特別にパスワードを必要とせず、誰にでも検索が可能であり、同会の活動や内容を把握することができるよう作成されている。
そのホームページ上では、文京区提出資料として、平成20年10月16日に開発許可書等が添付ファイルとして掲載されている。その後、区は同年12月8日時点において、開発計画変更許可書等が、同様に添付ファイルとして掲載されていることを確認している。 これらの資料は、下記の経緯に示すとおり、同年9月11日及び11月28日にそれぞれ文京区に情報公開請求され、公開された資料が掲載されたものである。また、同ホームページのうち、 「報道関係」向けの「運動経緯説明書」の文書の中で、報道関係の問合せ窓口・広報IT担当として、請求人Aの名前を確認することができる。同人は、考える会の会員であるとともに、広報係と認識することができる。このような事実から、請求人らのうち考える会のメンバーであるAは、同会のホームページに深く関与しており、遅くとも平成20年12月8日時点には、開発許可処分及び開発変更許可処分がなされたことを当然知っていたはずである。
さらに同会のホームページ上において、同会の「発起人が9名であるとの記載から、請求人Aを除く7名の請求人もまた、同会の会員若しくはその関係者と解する蓋然性が高く、同様に平成20年12月8日時点には開発許可処分及び開発変更許可処分がなされたことを具体的に知りえており、遅くとも平成21年4月1日の考える会設立日には、 7名の請求人は十分認識していたと判断できる。