審査請求申立の趣旨
Sponsors
審査請求申し立ての趣旨(つづき)
(2) 本件開発計画の第33条第1項第2号違反
ハ) 通行の安全上の問題
開発計画において求められている計画は、本開発によって、既存の都市交通安全に危険なしわ寄せをすることがないように計画されているかということです。開発許可の一般的な条件としての技術的な基準(第33条第2項)では、開発敷地面積が1,000平方メートル以上の敷地は、幅員9メートル以上の道路に接していなければならない規定(都市計画施行令第25条第2号)に照らして、少なくとも目白通りに面していない2棟の建築物が、幅員3.25メートル(車道は2.7メートル)の2項道路からしかサービスできないことを審査すれば、9メートル幅に造るべき道路のない予定建築物の接する道路が危険であることは明白です。
計画物件の低層棟が接道する区道3号線(一般名称は目白坂または目白旧坂)は、一部一方通行路で、椿山荘へ上っていく通行人を、タクシーなどがかき分けるように上がっていく狭い道です。週末には周辺の寺社仏閣への参詣者、椿山荘の利用客、野間記念館や永青文庫、和敬塾などへの観光客で込み合っています。計画物件の接道部付近でゆるいカーブを描き、見通しが悪いため、小さい子供をつれた親子連れなどは、ぎゅっと子供の手を握ってクルマをやりすごすような狭い道路です。この開発以前に交通状況が飽和状態であることは明らかです。
都市計画法33条第1項第2号に基づく開発許可は、通行の安全上又は事業活動の効率に支障がないような規模及び構造で適当に配置され、かつ、開発区域内の主要な道路が開発地域外の相当な規模の道路に接道するように設計が定められていることを必要としています。しかし、計画物件の低層棟は最も狭い箇所で3.25メートルの幅員しかない区道3号に接道しており、132世帯の住民の約半数が日常的に出入りするのに相当な規模要件を満たしてはいないことは明白です。